【完】絶えうるなら、琥珀の隙間
「わ、分かりにくい……」
「ああ?」
思わず呟くと、ミナトが顔をしかめた。
未だに、いまいち本心は読めない。
そして相変わらずカヤの事は気に入らなそうではある。
(……でも、今の言葉はきっと嘘じゃない)
ミナトの本質は、自分が思うようなものでは無いのかもしれない。
「……ありがとう」
不思議なほどに、するりと感謝の言葉が出てきた。
「色々と、本当にありがとう」
しっかりともう一度そう言う。
ミナトは驚いたようで「お、おう」と曖昧な返事をした。
居心地悪そうに頭を掻くミナトに、カヤは言葉を続ける。
「それから、ごめんね。ナツナをこんな目に合わせて……」
深い仲であるナツナを危険な眼に合わせたカヤは、ミナトに罵られても可笑しくは無かった。
どんな悪態を付かれるのかビクビクしながらそう言うと、ミナトは「はあ?」と眉を寄せた。
「なんで俺にそれを謝るんだよ」
「え?だって……恋仲だから……?」
言った瞬間、ミナトは思いっきり咳き込み、ナツナは勢いよく顔を上げた。
「げほっ、げほっ……な、何言ってんだお前!?んなわけあるか!」
「カ、カヤちゃん!?私とミナトは、ただのお友達なのですよ!」
必死に訴えかけてくる2人の顔は、心底驚愕していた。
照れて否定しているわけでは全く無さそうだ。
「そ、そうなの?」
「そうだよ!いつ俺等がそんな仲だって言ったよ!」
そう言われると、確かにそれを明言された事は無かった気がする。
「え……じゃあ一緒に住んでないの?」
「住むわけあるか!」
噛みつくように言ったミナトの言葉に、カヤはぱちくりと瞬きを繰り返した。
どうやらカヤが一人で思い込んでいただけらしかった。
「ごめん……勘違いだったみたい」
頬を掻きながら謝ると、2人は脱力したように項垂れた。
「――――娘よ」
凛とした声に、3人は動きを止めた。
振り返るとカヤの真ん前に翠様が立っていた。
素早く首を垂れるミナトに続き、ナツナも翠様に頭を下げる。
「ああ?」
思わず呟くと、ミナトが顔をしかめた。
未だに、いまいち本心は読めない。
そして相変わらずカヤの事は気に入らなそうではある。
(……でも、今の言葉はきっと嘘じゃない)
ミナトの本質は、自分が思うようなものでは無いのかもしれない。
「……ありがとう」
不思議なほどに、するりと感謝の言葉が出てきた。
「色々と、本当にありがとう」
しっかりともう一度そう言う。
ミナトは驚いたようで「お、おう」と曖昧な返事をした。
居心地悪そうに頭を掻くミナトに、カヤは言葉を続ける。
「それから、ごめんね。ナツナをこんな目に合わせて……」
深い仲であるナツナを危険な眼に合わせたカヤは、ミナトに罵られても可笑しくは無かった。
どんな悪態を付かれるのかビクビクしながらそう言うと、ミナトは「はあ?」と眉を寄せた。
「なんで俺にそれを謝るんだよ」
「え?だって……恋仲だから……?」
言った瞬間、ミナトは思いっきり咳き込み、ナツナは勢いよく顔を上げた。
「げほっ、げほっ……な、何言ってんだお前!?んなわけあるか!」
「カ、カヤちゃん!?私とミナトは、ただのお友達なのですよ!」
必死に訴えかけてくる2人の顔は、心底驚愕していた。
照れて否定しているわけでは全く無さそうだ。
「そ、そうなの?」
「そうだよ!いつ俺等がそんな仲だって言ったよ!」
そう言われると、確かにそれを明言された事は無かった気がする。
「え……じゃあ一緒に住んでないの?」
「住むわけあるか!」
噛みつくように言ったミナトの言葉に、カヤはぱちくりと瞬きを繰り返した。
どうやらカヤが一人で思い込んでいただけらしかった。
「ごめん……勘違いだったみたい」
頬を掻きながら謝ると、2人は脱力したように項垂れた。
「――――娘よ」
凛とした声に、3人は動きを止めた。
振り返るとカヤの真ん前に翠様が立っていた。
素早く首を垂れるミナトに続き、ナツナも翠様に頭を下げる。