地味女子。〜恋物語〜

体育館に大きな音が響いた。

「イッタッ....ぅ....」

なぜか、その子に叩かれた。

私は思わず、
驚いた顔で、その子を見ると

「痛いやろう?それがお前の心。」

と。

(何言ってんだ、この人...⁇‼)

私は、さらに目を見開き
驚いた顔で、その子を見つめた。

すると、彼女は大爆笑し、
「いい顔やな、あははは..はは...ッ。
うちの前では、無理に笑うんやなくて、
そういう自然体でいればいい。」

と言葉をつづけた。

私はふと、我に返った。

(そうか....私、
笑おう笑おうとして笑えてなかったんだ。
ただ頑張って作っていた笑顔が、この子には、
嘘だと見抜かれていたんだ。)

その瞬間、なんだか嬉しくなった。

「お前、名前なんて言うん」

「・・・楚和・・・想和・・花」

「ソワか!おっけ!うちは、水元海乃」

「あ・・・うのちゃ・・・」

「あー!下の名前禁止!ちゃん付け禁止!それやと
今までと変わらん、嘘っぽい!
うちとおまえは
“楚和”と“水元”。いいな!?」

「あ・・・え。うん。わかった。

・・・・水・・元・・・」

「そう!楚和!」

そういって満面の笑みを彼女は見せた。

こんなにも自然に、友達になれるんだと
気づかされた瞬間だった。

そう、この日、
彼女と出会い、人生が変わった。




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