地味女子。〜恋物語〜
「えー。では、2年生。教室へ戻って下さい。」
周りの子達がパラパラと立ち始め
一斉に教室へと帰り始めた。
「行くぞ」
水元に言われ、私もようやく
重い腰をあげた。まだ、起きたばかりで
頭がボーッとしている。
立ち上がると、舞台が見えた。
(校長先生の話、何も聞けなかったな…)
なんて思いながら、舞台の上を
片付けている運動部の子達を見る。
私の学校では、舞台の上を片付けるのは
運動部の下の学年の男の子と決まっている。
私の頭の中は、正直だ。
自然と、カレを探している。
そして、瞬時に、見つけてしまうのだ。
なんだか、一番
キビキビ動いているように見える。
(今日も素敵です。)
と心の中で呟いた。
そんなこんなで、モタモタしていると
水元は姿を消していた。
教室に先に行かれてしまったのだ。
いつもの事だ。
慌てるでもなく、ゆっくりと
出入口へと向かい、教室へと歩き出した。