危ナイ隣人
反応を見るに、ナオくんはずっと、うちの両親と会ってなかったっぽいのに……。



「ずっと気掛かりだったんだよ、君のことが」



形の整った眉を柔らかく下げて、お父さんは静かに語り始めた。



「ずっと気になってた。

俺達の息子を思い、自らの意思で十字架を背負った君が……ちゃんと前を向いて歩いていけるのか、過去に囚われて押し潰されてしまわないか。

君の家庭事情は何となく耳にしていたから、余計に心配でね」



だから、とお父さんの言葉は続く。



「君がどう過ごしているかを知りたくて、先生に連絡をとってみたんだ。先生があの学校に勤めていることは知ってたからね」


「あ、あの。それって、いつ頃のお話ですか……?」


「百箇日法要が終わってからだったから、夏頃だったかな」



お父さんの返答を聞いて、ナオくんは少し考え込む素振りを見せる。

眉間に皺を寄せて、少し難しそうな顔をして。


その様子に、今度は私が尋ねる。



「何か、心当たりでもあるの?」


「あ……あぁ」
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