Last note〜特性を持つ者へ2
その時、入口で音がして振り向くと
レナさんがいた。

「…今朝、お弁当忘れて出ていったから
届けに来たんだけど。遥斗……?」

泣きじゃくった俺の情けない顔を見たレナさんがうるうるして、新太を巻き込んで抱きついてきた。

「遥斗やっと!泣けるようになったのね。
おめでとう、遥斗。
何年ぶりの涙かしら。おかえりなさい…。」

俺より大号泣で泣きじゃくったレナさんは、
事務所の外まで聞こえるかって位子供みたいに泣いていた。

"俺が泣く時は、トラウマが癒された時か
レナさんがおばあさんになって亡くなってしまう時だよ。"

昔話した言葉をずっと覚えていたんだろう。

最後には矢崎さんがレナさんをあやす様にバカみたいな変顔を見せて、泣き笑いに変えた。

CSS事務所には
感動の涙と、皆の笑い声に包まれて、
俺は警察の道を選んで良かったと
心から幸せを感じた……。

事務所のちょっぴり、埃っぽい匂い。

矢崎さんがいれてくれたお茶の匂い。

レナさんが届けてくれたお弁当の匂い。

俺はこの時の匂いをいつまでも忘れないように、
しっかりと嗅覚に焼き付けた…。


ー[完]ー
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