廻り道
「本当に彼女を作らずに待っていてくれたんだね」

七年前、僕たちは大学を卒業して、それぞれの道へと歩み出した。

僕は地元に戻り、彼女は海外。

彼女と会うのは出発の日以来だ。

「なんで分かるんだよ」

お互いに夢があった。

二人でいたい、だけど夢も追いかけたい。

若い僕たちにはどうすることもできなかった。

「指輪・・・してないから」

待っていてほしい

そして、僕たちはあの日離ればなれになった。

「今してないだけかもしれないだろ」

「そういうことをする人じゃないって分かっている。そして、あれから約束を守って待っていてくれたことも」

結局、僕たちが付き合っていた期間は、きっとこういうことなんだと思う。

「まあ・・・な」

お互いのことは口に出さなくても分かる。

僕たちはそれほど中身の濃い月日を過ごしてきたのだから。

だから

だからこそ、もう答えは出ている。
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