散りゆく花泥棒と夜明けを待つ花嫁
「うん」
「もう一度彼を信じてみたいんだ」
どこにいるのかも誰と一緒なのかも言わなかった私を、もし見つけてくれたなら。
そんな馬鹿な夢を見た。
結婚式一週間前、私は救われたのか馬鹿な決断だったのか。
それは夜が明けて彼が私を見つけ出してから、私の心が決めることだった。
「もし」
今度は省吾が口を開いた。
「うん」
「もし、ここを探せ出せない奴だったら」
「うん」
「俺と結婚してよ」
矛盾してる。触れたいわけではないのに、結婚したいって言う。
「うん。キスしてくれたらね」
どちらも考えられない。でもどちらかを選べば私の物語は終わるのかもしれない。
省吾に贈った薔薇の花束から、静かに花びらが散っていく。
薔薇の花びらが落ちていく中、私は答えのない夜が明けるのを省吾の隣で待ったのだった。
FIn
「もう一度彼を信じてみたいんだ」
どこにいるのかも誰と一緒なのかも言わなかった私を、もし見つけてくれたなら。
そんな馬鹿な夢を見た。
結婚式一週間前、私は救われたのか馬鹿な決断だったのか。
それは夜が明けて彼が私を見つけ出してから、私の心が決めることだった。
「もし」
今度は省吾が口を開いた。
「うん」
「もし、ここを探せ出せない奴だったら」
「うん」
「俺と結婚してよ」
矛盾してる。触れたいわけではないのに、結婚したいって言う。
「うん。キスしてくれたらね」
どちらも考えられない。でもどちらかを選べば私の物語は終わるのかもしれない。
省吾に贈った薔薇の花束から、静かに花びらが散っていく。
薔薇の花びらが落ちていく中、私は答えのない夜が明けるのを省吾の隣で待ったのだった。
FIn


