氷のような彼は陽だまりのように暖かい

「はぁ…染み渡るわねぇ。」

「あったかい…」

お湯は少し熱めだったけれどすぐに身体をほぐした。
じんわりと身体を温めてくれる。

「私、監禁されてた時はろくにお風呂も入らせてもらえなかったんです。」

きっと薫さんから大体の経緯は聞いているのだろう。
薫さんのお母さんは静かに私を見ていた。

「いつも水をはったバケツに頭突っ込んで洗うって感じで、お風呂ってこんなに暖かかったんですね…。」

滑らかなお湯は身体を包みこんでくれる。

「薫さんがあの時助けてくれなかったらこんな些細なありがたみも忘れてしまうところでした。本当に感謝してます。」

「薫に伝えてやって。きっと喜ぶわ。」

ふふっと花がこぼれるように笑った。
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