氷のような彼は陽だまりのように暖かい
「お風呂ってこんなすごい感じでしたっけ?」
薫さんのお母さんに連れられお風呂に来たものの、温泉のような造りで驚いた。
「びっくりした?ここを作られた一代目がね、大の温泉好きだったみたいでこんなお風呂作っちゃったらしいの。」
温泉好きだから温泉造ったなんてやることの規模が違いすぎる…
「さあ、こんな所にいると身体が冷えちゃうわよ。ここに座って。」
私を座らせると、さっそくお湯を出し私の頭を洗い出した。
「頭、自分で洗えますよ?」
「気にしないで。私がやりたくてやってるだけだから。」
暖かいお湯にシャンプーのいい香り。
それに加えて優しく洗ってくれる手。
何年もお風呂に入らせてもらえないと、お風呂のありがたみがよく分かる。
「はい、綺麗になった。お湯につかりに行きましょう?」
私の髪をお団子に結い上げると、また手を引きお湯の方へと連れ立った。