氷のような彼は陽だまりのように暖かい
「えっと、あの…」
いい年した大人が寂しいだなんて言ったら変だろうか?
「寂しくなったか?」
狼狽える私を見た薫さんは言いづらかった言葉を簡単に発した。
口角を上げながら目を細めて私を見る姿はかっこよすぎて直視できない。
「…」
恥ずかしさにこくんと小さく首を振った。
監禁されていた時、誰もいない冷たい空気が流れる地下でただひとり寂しかった。
それからここに連れてこられて、人の優しさに触れてひとりが今まで以上に寂しい。
「寂しい時は素直に言っていい。」
暖かなその声に導かれるように自然に声が出た。
「ひとりは寂しい。」