白雨の騎士
「どうして…?あんなに近衛になりたがってたのに」

「近衛の募集は表向きで、実際は皇女の結婚相手を探すためだったんだ。試験を受けに来てたのも貴族ばかりだった。だけど最後に実技の相手だった女の隊長に、近衛に入れば実力で認められると言われた。だから、もう一度夢を叶えるために頑張ろうと思ったんだ。」


シドはアンナの言葉に少し気持ちが軽くなった気がした。



「…皇女様の結婚相手って、本当なの??」


ハンスは胸がズキンと痛んだ。


「…ああ、いつまでたっても結婚を決めない皇女に国王がしびれを切らしたらしい。全く無茶苦茶な話だよな。この国は大丈夫なのか。。」



ハンスは俯き手をぎゅっと握りしめた。



「…シドなら、きっと大丈夫よ。私もね、結婚が決まったの。。」


「本当か?!よかったな!!」


シドの反応に、ハンスは少し悲しそうな笑みを零した。
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