白雨の騎士
「…舞踏会は人の出入りが激しい。3年前に舞踏会に他国の刺客が潜り込み、貴族たちの金品を狙うという事件が起きた。いいか、怪しい者がいたらすぐに私に報告するんだ。」
アンナに着いてシドは頷きながら注意深く辺りを見渡した。
「…隊長、異常ありません。」
報告にリダがやって来た。
アンナと共に居るシドを見てリダは表情を歪めた。
「よし、1時間後報告に来るんだ。それまで再びアリス様の警護に当たれ」
「はい!」
リダは敬礼してアリスの元へ戻って行った。
「私達は少し離れた位置からアリス様を守るんだ」
アリスを見ると大勢の招待客が挨拶をしようと列をなしていた。
ゴーン、ゴーン。。
城の大時計が22時の時刻を鳴らした。
舞踏会が始まって1時間。
「…そろそろ退出する時刻だ」
アンナの言葉に初めての舞踏会で緊張していたシドはほっと肩の緊張が取れた。
しかし、本当に1時間たらずで退席してしまうとは…