白雨の騎士
「では、また夕食の席で。」
お茶会が終わり、アリスが席を外すとミラは真っ先にシドの元に来た。
「よし、着替えて来るから待っていて。」
ミラの言葉にアンナがシドを見た。
「あの、ミラ様…?」
「ああ、剣の稽古に付き合ってもらう約束なの。あ、あなたにも付き合って貰おうかしら。女の人で近衛の隊長なんてすごいわね。」
アンナはどう言うこと?と言うような顔でシドを見た。
「とにかく着替えて来るわ。」
そう言ってミラは部屋に戻って行った。
「…ちょっとシド、どう言うこと?!」
「いや、昨日突然頼まれて…」
アンナは腕を組みはぁっと深い溜息をついた。
「…怪我でもさせたらどうするのよ。」
「大丈夫ですよ。」
そこへ側近のメルがやって来た。
「…ミラ様は毎日稽古なさっています。剣の練習で怪我を負うようなことはしませんよ。どうか、お手合わせしてあげてください。」
「は、はぁ…」