親友以上彼女未満
「いい声してるね。」

高土君の声を誉めると、彼はお日様みたいに笑った。

「本当ですか?実は、声優目指していた事があって。そう言うふうに言われると、嬉しいです。」

好印象ばっちし。

対応力もあって、OJTは1日で終了を迎えた。


「明日からは、自分一人で受電してみようか。」

「ええ!?」

「大丈夫。分からない事があったら、直ぐに手挙げて、聞けばいいから。」

私は高土君の背中を押した。


ここまでコールセンター向きの人材も、珍しい。

実は声優目指してって言ってたけれど、実はコールセンターの勤務経験有りだったりして。


「高土君は、コールセンターは、初めて?」

「はい。」

「本当?ちょっとかじった事、あるんじゃないの?」

私がそう言うと、はははっと照れ笑いをした。

「分かります?」

「分かるよ。全く初めての人は、こんなに慣れてないって。」

やっぱりビンゴ。
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