偽物の恋をきみにあげる【完】
「好きじゃないよー。だって、好きになっても意味ないもん」

ディスプレイに向かって口を尖らせながら返すと、少しの間の後、サユユから返信が来た。

『うーん。ねえ、月ちゃんはどうして、カラダの関係しかないって思うの?』

「え?」

『だって、好きって言われてないだけで、月ちゃんが覚えてる限り、セフレって言われたわけでもないんでしょ?』

「ああ……それはね」


──それは、すごく簡単な理由だ。

あれはまだ大雅と再会して間もない頃、道端で彼の男友達にばったり会ったのだ。

「大雅じゃん。ちょー久しぶり!」

「おー、ひさびさ」

どうやら大学時代の友人らしい。

私はしばらくの間、2人の会話をぼんやり聞いていた。

「てか悪かったね、引き止めて。彼女とデート中だったよな」

話に区切りがついたところで、彼はこちらに視線を投げながら軽く謝った。

すると、

「そんなんじゃないよ」

大雅は笑って、そう言ったのだ。

そんなんじゃないよ。

つまり、彼女ではないよ、ということ。

じゃあ、私はなに?

ただの、セフレってこと?
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