愛しい君の為なら何だって
どうして
社「駄目よ」
璃「…」
社「二乃は今、すごくいい時期なの」
 「それは自分でも、わかっているでしょう?」
 「あなたは今や、トップモデル」
 「テレビやラジオ、雑誌にも引っ張りだこ」
 「この間、映画の話も決まったわ」


社長は私を何だと思っているんだろう

モノ?

事務所の稼ぎ頭?

社「そんな、調子のいいあなたにスキャンダルは必要ない」
 「イメージをダウンさせるだけよ」


イメージ・・・

なんで私はこの仕事をしてるんだっけ…

社「だからいい?」
 「あなたはとても今、調子がいいの」
 「仕事もどんどん勝手に来る」
 「あなただって嬉しいでしょ?」


・・・嬉しい?

今のこの状況が?

社「もうこの話は終わりよ、二乃」
 

そういって社長は話を切り上げる

社「でね、二乃、次の話なんだけど」
 「二乃にイベントの話が来てるの」
 「このイベントは大きいものだからね」
 「これに出ればもっと二乃の知名度が上がるわ」

知名度?

そんなもの、どうだっていい

私は知名度が欲しいわけじゃないの

社「あ、もう一つ、映画の話もあるのよ」
 「あなた、劇団出身だから」
 「ああ、これで朝倉二乃は国民的なものになるわ」
璃「私は…私は、朝倉二乃じゃないっ!!」
社「二乃…?」


ガンッ!!とドアを開けて
私は社長室を出ていく

社「二乃!!」


社長の声を無視して出ていく

私は何がしたかったんだろう…




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