スイート ジャッジメント 番外編

「お、おはよう」

「おはよ、とわ」

 少し素っ気ない挨拶に湊の表情を伺えば、相変わらず少し不機嫌そうではあったものの私に向けられる眼差しは、さっきよりは少し和らいだものだった。

 私の指に指を絡めて手を繋ぐと、武田と橋浦くんには全く目もくれずに、いつもより少し早めの歩調で湊は歩きだした。

「え? ちょっと、湊? どうしたの? 何かあった?」

 今まで駅でこんなふうに会ったことは無いし、どうして機嫌が悪そうなのかもわからないし、なんで武田達を無視するのもわからない。

「どうもしないよ。とわ、今日はずっと体育館居れる?」

「……居れる、と思うけど」

「じゃあ、応援しててね? 俺頑張るから」

 いつもとはどこか違う、剣呑な印象の笑みを浮かべる湊。

「……う、うん」

 湊の応援はもちろん最初からするつもりでいたんだけど、今の会話に似た会話を、電車に乗る前に武田ともしている。……なにか変だ。

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