スイート ジャッジメント 番外編

「まぁ、準決勝だけど、ぶっちゃけウチら的には決勝以上に注目の一戦よね!」

 桜庭対武田、超楽しみ! と息巻くちぃちゃん。その傍らで美久ちゃんが「とわ、愛されてるねぇ」と笑う。そういう話じゃないと思う。

「ねぇ、いつそんな話したの?」

 そんな皆でワイワイ話すような時間、昨日あった? と問う。

 昨日は殆どのクラスが1試合程度しか試合がなかった。だから昨日、私はほとんどちぃちゃんと一緒にいて、ちぃちゃんがサッカー部のメンバーといるから、結果として湊や武田も昨日はほとんど一緒に過ごしていたはずなのに。そんな話しているのは全く知らない。そもそも昨日帰る時、湊は機嫌悪くなかったし、夜に電話した時も普通だったと思う。……私は早々に寝落ちしたけれど。

「あぁ。うちの部の学年グループトークで。夜中に」

 ……。

 えーと。つまり私が寝たあと? しかも、それ、ここにいるサッカー部3年生が全員知ってるってこと?

 だから、湊は朝からあんなに機嫌悪そうで、対する武田は朝からやたらと楽しそうだったんだ……。

 もう。なにしてんの。あの二人……。

「とわ、桜庭の戦闘モード見るの初めてじゃない? サッカーの試合の時もスイッチ入るとあんな感じになるんだけど、とわ試合見に来たこと、ほとんどなかったよね。見たことあった?」

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