溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
慶太がシャワーを浴びてる間に、東雲さんへメールを打った。

恋人が大切だから、好きだから、このゲームは私の勝ちですと。

もう会わない。

仕事以外で関わるのも止めよう。

慶太を裏切りたくない。

ずっとそばで支えていきたいから。

だから、小さく燻っていた炎は目立つ前に消してしまおう。

忘れて、なかったことにすればいい。

そして、間髪入れずに電話が鳴り出す。

着信相手は東雲さん。

出ない。出れるはずない。

そのままバッグの底へ沈めた。

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