溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
この間まで好きだとか言ってたのに、あれはでまかせだったのか。


「やっぱりブロンド美人ですかね?」

「さあー。そうかもね。」

幾分、楽しそうな梶谷さんに呆れるものの、正直なところ気になる。

どんな人を東雲さんは選んだのか。


「でも、もし本当に婚約者だとしたら、私が見たあの親子は何だったんでしょうね。」

「うん、そうだね。」

それよりも、棚橋さんが言ってたことが頭を過った。

"クリスマスに恋人に会う"

実際に会ったんだろうか、、、

でも、会ってたら私に約束なんてして来ないか、

どのみち私にはもう関係のないことだ。

差し伸べられた手を自ら拒んだんだから。


< 140 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop