溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
甘んじてそれを受け入れる。

いつもの私なら、、、。

「ごめん。今日は帰るね」

目を合わせずに、慶太の胸を力いっぱい押しやった。

「拒否しないで。希、信じてくれてるなら俺を否定しないで」

消え入りそうな声。

悲しく潤んだ目は反らすことなく注がれる。

違うよ。慶太のせいじゃない。

私が弱いだけ。

怖くて痛くて堪らないだけなんだよ。

上手く言葉を発せられず、慶太の頬に触れると、その手を包んで寂しそうに微笑んだ。

「希、俺が今好きなのも一緒にいたいのも、抱きたいと思うのも全部希だけだから。」

「うん。わかってる。」

「本当に帰る?」

「、、、、。」

「抱きしめて眠るだけ。それならいい?」

「じゃあ、今日はそれでお願いします」

クスクスっと笑う慶太に、ちょっとだけ安心した。






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