溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
熱い。

掴まれた左腕も、絡まる視線も。

なにこれ、、、

全身が火傷したみたいに熱い。

「こそこそ何を調べてる?」

「えっ、、、」

なんで、バレて、、、

表立っては何もしてないのに、なんで気付いたの?

「あの、、、えっと、」

ヤバい。言い訳なんて考えてなかったから、何も出てこないーっ!

これじゃ、こそこそ調べてますって認めてるのと同じじゃない。

「桜木エージェントの社長か、、、」

「、、、っ、すみません」

観念します。

そんな怖い顔で今にも殺めそうな目で凄まれたら、もう、降参です。

怖すぎるよ。この人ー!

「はぁ、、、」

た、ため息つかれた、、、

「教えてください。どんな関係ですか?」

もう、こうなりゃどうにでもなれ。

悶々と気にしてるよりマシだし、調べてることバレたんだから、もう教えてくれるはず。

「あいつが社長に就任する前、ニューヨークで会ってるんだ。俺がまだこっちで仕事してた頃だ。たまたま休暇で行ったときにな。」

「それを暗黙の了解みたいにお互い隠すのはどうしてですか?」

「弁護士は守秘義務があるだろ。これ以上は言えない。だから、お前もこれ以上詮索するな。」

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