僕の1番大切な人
『晴れて良かったですね』

『ほんと、良かった』

ユウは、運転しながら、姉さんにいろいろ話しかけている。

姉さんも、嬉しそうだ。

僕は1人、取り残されているみたいだ。

『そうだ、凌馬君』

突然、姉さんが僕の方に振り返って言った。

『最近、朝寄ってくれなかったけど、忙しかったの?』

『…ごめん、うん、バイトが結構遅くてさ、朝起きれなくてギリギリまで寝てたり』


嘘だ。


『そうなんだ。大変だったんだね。凌馬君が来ないと寂しいから』


姉さん、そんな簡単に寂しいとか言わないで。


『あの人も、最近、凌馬君が来ないの、心配してたわよ。彼女でも出来たのかって』

姉さんが、微笑んだ。

そんな優しい顔で、さらっと言われたら、本当に悲しくなる。

『凌馬は、彼女いませんよ』

ユウが言った。

『この前も2人とも彼女いないって言ってたけど、本当に?』





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