リアル人生ゲーム(裏)
板垣が、犯人?
私の部屋から、宝くじを盗み出したのか?
「お前っ‼︎」
彰が、板垣の胸ぐらを引っ掴んで締め上げる。
彰にとって、あのお金はどうしても必要なもの。
それを独り占めにしようとした根性が、気に入らないんだ。
けれど板垣は「ぼ、僕は知らない!」と掠れた声を上げる。
そりゃ、犯人だと素直に認めないだろうけど、一体どうやって盗み出したのか?ロックがかかってたし、番号を板垣が知るはずないのに。
「白状しろよ!」
「し、知らない!第1、仁科の家すら知らない!」
「んなもん、調べたらいくらでも分かるだろうが!」
「た、頼む!信じてくれ!」
苦しげに訴える板垣は、ウソをついているように見えない。
本当にこいつが盗ったの?
そんな思いで、悪魔の顔を見ると__薄っすら笑っていた。
私たちが揉めているのを、心から楽しんでいるようで。
「ああ、説明が足りなかったかな?犯人は間違いなく、眼鏡の君なんだけど、盗ったのは君じゃない」
「どういう、こと?」
意味が全く分からず、私は悪魔に尋ねた。
「君、ここに来たくないからって寝なかったよね?その時、どうなった?」
「どうって、全財産が__」
そこまで言うと、板垣がはっと目を開いた。
【全財産、失う】