リアル人生ゲーム(裏)


骨、折?


これまで悪いことは、1度も起きなかったのに。


「__やっぱり」


気づけば私は、そう呟いていた。


嫌な予感がしたんだ。


とても嫌な、悪いことが起きる予感が。


「こんなの、俺は認めない。認めないからな!」


亮平が悪魔に詰め寄るが、だからといってマス目が変わるわけじゃない。


「認めないもなにも、これがリアル人生ゲームだよ?これまでそうだったよね?良いことだけ受け入れて、悪いことは受け入れないなんて、都合が良すぎないかい?」


「それは__」


「僕は良いことだけ起きると言った覚えはない」


悪魔は相変わらずの笑顔だが、その微笑みは冷たく凍りついているように見えた。


ぐっと押し黙り、拳を握りしめている亮平。


ようやくレギュラーになり、これまでにも増して部活を頑張っていたのに【骨折】なんかしたら、すぐにでもレギュラーを降ろされてしまうだろう。


「な、なんとかならないの⁉︎」


私は祈るような気持ちで、悪魔に尋ねる。


「なんとかならないこともないよ。じゃ、この中から1枚、引いて」


いつの間にか四角い箱を抱えた悪魔が、亮平に箱を突き出す。


一体、なにが__?


「この中には【指令書】が書かれていて、それをクリアすれば危険を回避できるというわけさ」


「じゃ、骨折しなくてもいいのか?」


「うん、そういうことになるね」


「よ、よし‼︎」


気合いを入れ直した亮平が、箱の中に手を突っ込み、1枚の紙を引き上げた。


どんな指令が__?


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