リアル人生ゲーム(裏)
私たち参加者は、屋上に集まっていた。
曇り空が、私たちの憂鬱な心を表しているようだ。
「とにかく、あと半分で終わる。それまでの辛抱だ」
そう言って、みんなを励ますのは彰だった。
リアル人生ゲームの裏面が始まってから、1番、被害があるのは彰のはずなのに__。
骨折した亮平は順調に回復しているし、板垣は彼女と別れたらしいが、親の会社が倒産した彰とは比べものにならない。
あれから、ずっと悪いことが続いている。
細かいものばかりだが、それは私たちの心を少しずつ擦り減らしていく。
指令書も、簡単なものあれば、難しいものもある。
みんなでクリアして回避できることもあれば、そうじゃないこともある。
ダメだった場合は、お互いに罪をなすりつけ合う。
本当に出来なかったのか、それとも悪魔が言うように【裏切り者】がいるのか?
お互いを疑い出し、サイコロを投げては怯え、指令に踊らされ、良くないことが起きる。
それでもあと半分で終わるという、彰の言葉を信じるしかなかった。
「ちょっと待ってくれ。いいこと思いついた」
突然、板垣が声を上げる。
その声はとても明るい。
一体、なにを思いついたというのか__?
「寝なきゃいいんじゃないか?起きていれば、サイコロを振らなくてもいい」