思いは海の底に沈む【完】
屋上にやっとの思いで辿り着くとまだ降りてなくてホッとする




美羽さんは美代子さんに首を絞められて上手く話せないでいた
意識はまだある。震えていた。





『美代子さん、どうしたの?こっちおいで』

「…湊。この女よね?この女が湊の人生を狂わせたのよね?」

『違うよ。そんな人知らないよ。だから離して?』

「嘘ばっかり!」

『美代子さん!』





美代子さんは逆上して美羽さんを突き飛ばそうとする

どう引き留めていいか分からず名前だけ呼んだ





『…その景色はどう?そっち行くね』

フェンスを登り美代子さん達のいる。外に出た







とりあえず何とかして止めないと








『本当にその人はひと間違いだよ。離してあげて』

「何いってるの?そんなこと言って信じないわよ!」

『そう…美代子さん、こんな舞台があるんだからもう、いいよね』

「湊?」




俺ももう、好きな人にちゃんと思いを告げられたし
何もいらない。


何より、待ち受ける未来が怖い


俺がこの先を望んだって柊さんはゲイで俺は彼の友人に過ぎないし

美代子さんと離れるなんて嫌だ




俺の気持ちも随分と蝕まれていた
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