狼を甘くするためのレシピ〜*
 その後も何人かの元仕事仲間と挨拶を交わしながら、ひとりソファーでコーヒーを飲んでいる女性に向かって蘭々は歩き出した。

「はーい、衣夢」

「はーい、蘭々お帰り」

 気怠そうな微笑みを浮かべる彼女は、親友である衣夢だ。

「どう? その後なにか土産話はないの?」

「ん? ……うーん、まぁちょっとね」

「なによ」

 衣夢が身を乗りだしたところで、蘭々のまわりにはモデルたちが集まってきた。

「LaLaさん! お久しぶりです」

「久しぶり」

 そうこうするうち、「皆さま会場のほうへどうぞ」と係りの者がやってきて、粛々と披露宴は始まった。
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