狼を甘くするためのレシピ〜*
 一緒にいた女性の服。パーティという服ではない。仕事の打ち合わせかなにか、もしかすると宿泊……。

 気になる。

 気になり始めると、止まらなくなった。

 蘭々はその日、帰宅するとすぐにパソコンを立ち上げた。

 衣夢に教えてもらった通り、ネット通販からスマートホンと音声通話機能付きのSIMを探す。
 どうせほとんど使うことはないのだからこだわる必要はない。
 クチコミを参考にして、適当なものをクリックした。

 そして、それから数日後の夜。

 ――さて。

 濡れた髪を乾かした蘭々は、バスローブを着てミネラルウォーターを飲みながら、テーブルの上の真新しいスマートホンに目を落とす。

 封を開けて充電だけは済ませたが、したことはそれだ。
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