幸福論
終電近く、賑やかだった駅前は
誰一人通らなくなった。


暗くなった場所に薄暗い街灯。


その下のベンチに俺はまだ座っていた。




”そう....?じゃあ帰るね.....
悩みあったらいつでも聞くから。
おやすみなさい........”




数時間前、彼女はそう言って帰って行った。



いや、俺が帰した。



俺は1年半のこの想いを
伝えることができなかった。
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