大嫌いの裏側で恋をする


プっと吹き出した高瀬さんが、
「そりゃよかったよ」なんて小馬鹿にしたように笑うので。
ひどい!って、また抗議しようと力んだ私よりも少しばかり早く。
その言葉は、降ってきた。

「寝てるくらいなら起きて、俺に付き合え」
「…………え?」

それってつまり。
それってつまり!!

「デーーート!!」
「言うなよ」
「嘘、マジですか!?」
「どうする?」

って、どうするも、こうするも。

「い、行きます! 行きたいです! 何時に起きましょうか!?」

答えた私を見て、高瀬さんは、また笑ってくれた。

ああ、ほら。

勇気を出して、素直になるって。
こんなに幸運をもたらしてくれるんですか!

悩んでばかりは性に合わない。
頭なら、良くない自信があるから。
自分自身の未熟さを恥じて成長することは、いつも、いつだってできるんだけど。

恋は。
恋愛は。
片想いは。

相手を前にしてなきゃ、進まないんだから!
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