大嫌いの裏側で恋をする


「何驚いてんのよ。28でしょ? 仮に2年付き合ったとして30。当然考えんじゃないの?」
「ええ、そう? 私の彼氏2年付き合って今32だよ、プロポーズされてないよ?」
「あー、それ、あたしだったら見切りつけるわ。こっちももうすぐ27だよ、女はクリスマスケーキだとかダルい例えあるじゃん」

正面に座る2人が、パスタをクルクル、クルクル。
フォークに巻きつけながら話す様子を眺める。
そして、ゴクリと喉を鳴らしながら私は復唱する。

「え? く、クリスマス?」

なっちゃんが、パスタから私に視線を上げて。

「ん、言うじゃん。24売り時売れ時、25も、まだまだ売れる」

途切れたなっちゃんの声の後に、順子が続く。

「ああ、なんかねぇ、聞いたことある。26売れ残り安売り、27叩き売り賞味期限切れとか……ってやつ」
「いやいやいや!今時それはなくない!?30こえてから結婚する人とか当たり前の時代だよ!」

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