大嫌いの裏側で恋をする


その日は、吉川さんとのお昼も口数少なかったと思うし。
課長はこんな日に限って外出しなかったから、私は。暇な時間もパソコンと睨めっこで顔を上げることができなかった。

何回も失敗して、その度頑張ろうって仕事続けてきてるけど。
いよいよ、私むいてないんじゃない?
事務、むいてなくない?
私が今辞めても、間宮香織が代わりに仕事できるんじゃない?

ああ、どうしよう。
萎縮してくのが、嫌ってほどにわかる。
そして、こんな気持ちの時にどんな時よりもより強く『結婚』なんて単語思い出してる自分が。

情けない。

あきらかに逃げ道にしようとしてんだ。
結婚を、恋を、そして。
高瀬さんを。

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