大嫌いの裏側で恋をする

……だから。

きっと、心のどこかで、私は。
思ってるんだろう――

高望みしてる自分から、逃げ出したいって。

だから素直になりきれない。
だから本音を隠して。

だから。

吠えて逃げたんだ。
もしかしたら、この恋のターニングポイントになったかもしれない。

あの、酔い潰れた夜。

高瀬さんの隣に胸張って立てる女になってから、なんて。
思って、彼のことを押しのけたつもりだった。

でも結局本心は、怖かったんじゃないの?

好きだけど、同じ景色は見れる気がしなくて。
必死に作り上げてる自分を崩すのも崩されるのも嫌で。

まだ立ち上がってない、真っ暗なパソコンの画面に自分の顔が映る。
……なんて、情けない顔だろう。

ああ、これだから、ハリボテの『強さ』はあてにならない。

しょせん、ただの、つよがり。
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