俺、兄貴になりました⑤
「「あ、ほら。翠いたよ、翔にぃ撮らないと」」
お前らが言うなっ!!
俺はちゃんと待ち構えてたんだよ!!
やっと静かになった弟達に溜息をつき、気を取り直して翠にカメラを向ける。
ビデオカメラ越しに見る翠は、しっかりと前を向き堂々と歩いていく。
あぁ…。
初めて会った時はあんなに小さかったのに。
いつの間にあんなに大きくなったんだ…。
立派に…立派になったなぁ、翠っ…!!
「翔にぃ、涙!涙溢れてるから!」
「てか、泣くの早いから!!」
尚と慎が両脇からハンカチを取り出し、俺の溢れた涙を受け止める。
あーーーっ!!
ダメだ!!
涙で前が見えん!!
「双子ぉ!!俺の代わりに撮ってくれ!!」
「「仕方ないなぁ」」
煌にカメラを託し、俺はハンカチで涙を拭いながら翠の姿を目で追った。
周りからクスクスと俺達を笑う声が聞こえるが、そんなのは気にしない!!
俺は翠を目に焼き付けるんだ!!