私の愛、いりませんか?
その日の夜遅く、私はキッチンに立った。丑三つ時。
そーっとカッターナイフで指先を切る。
「痛いっ」
サーっと赤黒い血が指先を流れる。
そのまま溶かしたチョコレートの中に入っていく。
彼は私と同じA型。把握済みだ。
長年伸ばしてきた綺麗な髪の毛を少しだけ切る。
笑みが零れる。もう誰も私を止められない。

翌日、私は先輩の靴箱の中に昨日のチョコレートを入れる。
あぁ、喜んでくれるかな?

[瑞葵side]
今日は輝月の様子がおかしい。急に笑いだしたり、ずっと笑顔だったり。そういえば今日はバレンタインデー。輝月は先輩に告白するのだろうか。輝月は小柄で艶々の綺麗なロングヘアー。そして華奢な容姿に可愛らしい顔。理想の女の子だ。
一方私は、無造作ヘアーに高い背。男みたいな容姿だ。
そんな私を好きになってくれた先輩。輝月にはもう少し黙っておこう。
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