『未成年』なんていらない

「そ、そうなんですね。し、失礼しま…」


「好きなの？閨川先生のこと。」


いつのまにか音咲はひなりのすぐ側に来ていた。
ひなりを見下ろす目は笑ってはいるものの、瞳の奥では鋭くこちらを睨みつけているように感じた。

「べ、別にそんなんじゃ…」

ひなりは思わず怯えた声で否定しようとする。

「ふふふ。良いのよ否定しなくても。ごめんねぇ。私、生徒の恋バナ聞くの凄く大好きなの♪」

無邪気にはしゃぐ音咲。
ひなりはどうすればいいのか分からずに戸惑っている。