『未成年』なんていらない
栄華と音咲は、第2音楽室に入った。
休み時間や放課後、音咲に悩みを相談する時はいつもこの教室を使っている。

「話って…また閨川先生の恋バナ?」

ふふふ。と笑いながら音咲が栄華に尋ねた。

「…ま、まあ、そんな感じです…。」

苦笑いをしながら返事をする栄華。

先日相談した際、栄華は音咲に、自分が閨川に片思いをしていること、クラスメートの二ノ瀬レムは自分の幼馴染だということ、そして、レムも閨川も奪った成瀬ひなりを許せないということなども、すべて打ち明けた。
何度か相談に乗ってもらっているうちに、音咲のことをすっかり信頼しきってしまったのだ。
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