mimic
心を苦しくさせている間にも、阿部店長は詮索めいた目をして言った。
「君は、別れを恐れたら心から愛せないって言ってたよね」
「……」
「それって、拒絶に怯えて、相手に迎合したりしないってこと?」
拒絶? 迎合?
小難しいことはよくわからないから、わたしがなにも答えないでいると。
「一旦は本気で諦めかけたから、願ったり叶ったりな状況だな」
「、は?」
「いや、なんでも。とにかくこっからは、本気で口説いてるって受け取ってもらって構わないんだけど」
と、阿部店長は前置きし、テーブルに両肘をついて前のめりの体勢になった。
「君に最初に惹かれたのは、前の妻に全然似てないから、なんだ。君が式場の話しをしていたときに、はっきりと気づいたよ」
俯き加減のわたしの顔を、前屈みで覗き込む。
「しっかりとした自分のポリシーを持ってて、感情的にならない落ち着いてるとこがいいな、って。前の妻は、俺が浮気してるんじゃないかってすぐ泣いて怒ったから」
あ、っと、なにか思い出したように阿部店長は声のトーンを上げて言った。
「ほら、初めて会ったとき。ロッカー室の扉が閉まってなくて俺超ドキドキしたんだけど。君は、やけに冷静だったよね。そういう反応がまた、面白いと思って」
「……わたし、超感情的になりますよ」
あなたの前で平然としてられるのは、興味ないからで。
「今も、思い出しただけで、心臓が苦しくて……」
低い声で喋り出すと、急に感情スイッチがオンになった。
「君は、別れを恐れたら心から愛せないって言ってたよね」
「……」
「それって、拒絶に怯えて、相手に迎合したりしないってこと?」
拒絶? 迎合?
小難しいことはよくわからないから、わたしがなにも答えないでいると。
「一旦は本気で諦めかけたから、願ったり叶ったりな状況だな」
「、は?」
「いや、なんでも。とにかくこっからは、本気で口説いてるって受け取ってもらって構わないんだけど」
と、阿部店長は前置きし、テーブルに両肘をついて前のめりの体勢になった。
「君に最初に惹かれたのは、前の妻に全然似てないから、なんだ。君が式場の話しをしていたときに、はっきりと気づいたよ」
俯き加減のわたしの顔を、前屈みで覗き込む。
「しっかりとした自分のポリシーを持ってて、感情的にならない落ち着いてるとこがいいな、って。前の妻は、俺が浮気してるんじゃないかってすぐ泣いて怒ったから」
あ、っと、なにか思い出したように阿部店長は声のトーンを上げて言った。
「ほら、初めて会ったとき。ロッカー室の扉が閉まってなくて俺超ドキドキしたんだけど。君は、やけに冷静だったよね。そういう反応がまた、面白いと思って」
「……わたし、超感情的になりますよ」
あなたの前で平然としてられるのは、興味ないからで。
「今も、思い出しただけで、心臓が苦しくて……」
低い声で喋り出すと、急に感情スイッチがオンになった。