陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
2週間ほどたったある日のこと、朔が学校帰りに私を呼び止めた。未だに声の出ない私、朔は、こう切り出した


「俺が原因だろ?」


首を横にはふれなかった…縦にもふれないけど。朔は気にしてくれていたらしく謝るってでもそうじゃない、私がして欲しいのはそういうことじゃない。私が好きだと伝えられない気持ちと朔の私への気持ちを知りたい、でも怖い、嫌われたらおわる、それでも皆が朔に寄ってくるのも告白されてるのを見るのもされるのを聞くのも嫌なんだって伝えられない全部伝えられない自分に対して嫌なんだって…どうしてもそう伝えたくて出ないのを承知で口を開き


「違うの!!!」


「芽衣?…こ、声」


「出た。出た!!その、あのね?」



2週間のことも全部話した朔に対する気持ちは言えなかったけどね。そこだけが言えないのはどうしてなの?


「俺…お前のこと特別だから」


雨が上がった、晴れ間がさした瞬間だった朔は続けて私に言った


「嫌いだったらすぐ追い返すし、隣にいるなって絶対言う。帰るのだってお前を特別に思ってなきゃ毎日帰ったりしねぇから。」


それを聞いてすごく嬉しくて泣いてしまった朔が私を抱きしめてごめん、俺のせいだったな、ほんとにごめん。好きとは言えない私だけど思いは。。

「俺は、お前の気持ちまだ聞いてねぇぞ?」


「…まだ言わない!…でも、一緒にいたいからずっといるよ、そばに。」


「答えになってねーし、もうお前らしいか。」

ごめんね、朔。もうちょっと欠片貯まるまで待っててね、私の勇気が出せるための欠片貯めさせて…


「じゃ、じゃあ…」


「?なんだよ」


「な、夏祭り…一緒にいたい」
< 11 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop