陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
「4月なのにほんと…忙しいよね。」


「新入部員集めたいんだよ。」


朔がいつになくやる気だ。
部活でもっと頑張りたいって年明けも話してたっけ。夢のある人は違うな…幼馴染としても尊敬する。それ以上に好きだからなんだけどね。


「芽衣、お前さなんでここにいんの。」



「そりゃ朔の手伝い?」


「いや意味わかんないから。部活行けよ」


朔を見たい、見てたい。玲香にお願いして30分だけもたせるからさっさと行けって言ってもらったんだよね。

「ごめんね。いくよ。」


「お、おう。」

あんなに冷たく言われたら、居づらい…仕方ないけど戻るか。朔だけには嫌われたくないからね、片想い、こんなに大変なんだ…近い存在なのに、どうして遠いの?


「で、あんたは私に?泣きついてると。」



「朔が…なんか怖かったんだもん!」


朔とのことを知ってくれてるのは玲香だけだから、呆れたように言ってくるけど一番の理解者だ。


「私なんか興味ないんだよね、ほんとに。
ね、玲香?あーやって人気だと幼馴染はさらに興味なくなるのかね」


たまたま見えたのが朔だった。渡り廊下で後輩女子に囲まれてる。笑顔なんて振りまいちゃってさ…馬鹿じゃないの


「芽衣、その顔やめなさい。」


「でもー、見てたら…」


見なきゃいいって?そりゃわかってるさ私だってそんなのわかってるんだ。4月からなにまたイラついてるんだろう、毎年毎回のことなのに。


「玲香、どーしよ」

「どーしようもなにもないでしょ。生島くんの人気は校内1なんだし無理言わないで。あんたも分かってるでしょ。」


かなり高いハードル、なんだよね。
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