陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
人気スゴすぎて、近づけないし。
そりゃそっか、顔もかっこよくて背も高くてバスケ部。それはモテるよね普通に考えてもさ。


「朔、帰…」


片付け終わったはずだって言われたから朔を探しに来たら、すごいとこを見てしまった。私が1番見たくないもの。


「ばか」


4月から…どうしてこんな目に遭わなきゃいけないの?勢いで走って来てしまった、もう帰ろ、今日くらい一人で帰ってまた明日になれば朔といられるもん。


家に帰って、ベッドに倒れ込む。4月早々に朔のキスしてるとこ見ちゃうなんて…ありえない。初めてじゃない、わかってる女の方が無理やりしたんだろう、いつもの事だ。でもなんで、泣いてるの…私。失恋したわけじゃない違う!朔はまだ、誰かと付き合ってるわけじゃないのに、止まらないの…今年1年やって行けるかな…不安だよ。

「芽衣ー!部屋にいるのー?」


「いるけどー?」


「朔くん、来てるわよ」

…1番今会いたくないやつ。なんで来るんだよ、何、話すことなんて何もない…


「なんで逃げた」

「あんな現場見て、帰るよなんて言えるかアホ」


「あれは誤解だって」


「誤解?体育館の倉庫でキスしてたの、どこが誤解よ」


…誤解するような状態でもなく間違えるはずもない。また見ちゃったって感じ
だから、朔の話なんか聞きたくない。

「どこが?…誤解とかわかんない。出てって」


ムシャクシャした。朔のあの感じが、いつもと同じだった。モヤモヤするのは私だけだってことだよね、あーあ絶対近づけない…嫌いになったかなこんなにあからさまだと。
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