陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~

皐月~経~

5月になる。春の研修みたいな感じのなんだっけ、林間研修だかなんだか。今年は修学旅行があるから、そう言っていた


「玲香ー!同じ班だね!」


「うるさいから変えてもらおうか、今すぐにでも」

「酷いな、でもこれ何やるの?」


「あんたばか?話聞いてなさいよ。」


だって、それよりも朔と同じ班だから話なんて全く入ってこない。去年の遠足はクラスも違ったせいで会えなかったんだもん、行事は一緒に過ごしたい。


「役割決めるって。」


そんな感じで準備も始まり当日まであっという間だった。班ごとの結束を固める為にスタンプラリーをすることになった樹海の中をぐるぐるーって回るらしい。方向音痴の私にとってこういうのは最悪で、はぐれたら終わりだ。玲香と朔たち班の人達にちゃんと着いていかなきゃな


当日、チェックポイントまで歩いているとみんな速いし、凄いな…無理こういうの。
はぐれちゃう、早くしなきゃ。追いつかなきゃダメだよね。


「みんな待ってよー!」


無理追いつけない。でも頑張らなきゃそう思って走ろうとした途端ふらっと足元にあった枝に躓いて転んだ。恥ずかしいけど痛くて立てない、みんな待って、置いてかないでどんどん遠くなる背中に向かって声にならない声で叫ぶ。朔、朔も。行っちゃうの…?


「芽衣!!」


ふと、顔を上げるとさっきまで前にいた朔が私の目の前にいる。立たせようとしてくれるけど痛くて立てないそれにすぐ気づいたのか朔は私に向かって


「いいよ、乗れ。みんなのとこ戻ったら手当してやる」


「うん、ごめんね。」


「別に。班員揃わないとゴールにならないから、それだけだよ。」


私は初めて朔の背中に身を預けた。背も高くて大きい背中、こんなに大きかったっけ?見てる時も思ってたけど昔のような朔じゃない力が強くて、さらに好きになった朔の姿だ。
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