夏のソラの雪
完全に肩透かしだ。




開いたドアの先には、見慣れた空っぽの屋上。




想像していた小さな背中が無いことに一瞬安心して、




すぐに押し寄せた焦燥感にため息を漏らした。





なんで居ないんだよっ。




俺に会いたくなかったから?





会いたいと思ってたのは、俺だけなんじゃないかと思ったら尚イラついた。





避けられてんじゃねぇよ俺。




眉間にシワを寄せて舌打ちする。




やっぱり昨日、去っていく彼女を引き止めるべきだった。





屋上で立ち尽くしている間に、本鈴のチャイムが鳴り響いた。




次、もう一回来てみよ。





望みを次の休み時間に託して、俺は屋上を後にした。
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