夏のソラの雪
……なんでもっと早く来てあげなかったの?




涙声で弱々しく呟いた知海の言葉に、




胸が締め付けられたみたいに苦しかった。




返すべき言葉なんて何も無い。





呆然と立ち尽くした俺に、





「真雪に会いたいなんて言う資格……アンタには無いんだから」




去り際に残した知海の言葉に、全身が貫かれた……。





なんで真雪の手を振り払った?



なんで真雪を信じられなかった?



なんで真雪に会いたいって……もっと早くに気付けなかったんだよ……。





後悔したって遅い。




俺はもう……、





真雪に会う資格なんか無いんだから……。
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