冷徹騎士団長の淑女教育
「クレア」

今にも消え入りそうな声で、アイヴァンは寝ている彼女にささやきかける。

「俺は君を、もうずっと、嫌というほど女として見ているよ」




静まり返った、夏の宵の街道。

月灯りすらほとんど差し込まない、忘れられたような馬車の中で。

自分の想いを永遠に封じ込めることを誓った騎士は、愛してやまない大人になった少女の唇に、最初で最後の優しいキスを落としたのだった。
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