冷徹騎士団長の淑女教育
それは、大勢のユーリス王国の騎士達だった。

騎士達は傷だらけの団長の姿にはっとした表情を浮かべた後で、すぐに辺りの男たちと剣を交える。

モンタギュー家の末裔選りすぐりの腕の立つ男たちでも、自分たちの何倍もいるユーリスの騎士たちには匹敵するはずもなかった。

次から次へと打ち負かされ、捕らえられていく。その中には、デボラとダグラスの姿もあった。

「ちょっと、私は王妃よ! 王妃を捕らえるなんて言語同断だわ……!」

天使と謡われた笑顔が嘘のよに、悪魔さながらの醜い顔で喚くデボラに、彼女を捕らえた副騎士団長が「陛下のご命令ですので」と静かに言い諭し連れて行った。

「やはり、赤ん坊の頃に殺しておくべきだったな……!」

ダグラスに至っては、呪いのような捨て台詞をクレアに言い残して数人の騎士とともに姿を消した。




クレアは、息も絶え絶えに床に倒れているアイヴァンに駆け寄った。

「アイヴァン様……!」

体中に大怪我を負っているアイヴァンは、痛々しいほどに血まみれで虫の息だった。

騎士団員たちとともに現れたエリックも、クレアに続いてアイヴァンのもとに駆け寄ったが、彼の様子を見るなり「これは……」と息を詰める。

まるでアイヴァンの死を予感したかのようなエリックの態度に、クレアはたまらなくなった。
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