君等の遺した最後の手紙は。(仮)
早く終わったら部活に行こうかと思っていたが、ポスター書きという課題を渡され、どうすべきか戸惑いつつ、カバンを置きっぱなしの教室に戻る。
「江川。」
困惑の表情で目を泳がせていたら林田くんから声がかかる。
「俺、体育会実行委員やる気ねぇから。よろしく。」
は?
ぽかんと口が情けなく開く。
「今日昨日やったのは先生から無理やりさせられただけだから。じゃ、そういうことで。」
なんという無責任っぷり。
ぽけっとしていたら鞄を取ってさっさと帰ってしまいそうだったので
「いやいや、そうじゃなくてちょっとまってよっ!!!」
そう慌てて呼び止める。
「なに…」
ため息混じりのめんどくさがってる声。もう説明することは何もないだろ?と威圧の意も入っているように聞こえる。
「なんでっ?」
いや、彼のことを知りたい訳でも深堀して根拠を聞きたい訳でもない。なのに口からサラリと言葉が出てしまった。
「なんでって……意味ないから。」
そのまま無言になるのかと思いきやちゃんと答えてくれる。
しかし意味がわからない。
「どういうこと?」
「・・・俺、意味無いことしたくなくて、体育会実行委員とか、体育会とか、協力とかそういうの…一年後にはは離れるんだし意味ないじゃん。だから、やりたくない。」
素っ気ないのにちゃんと答えてくれる。
「そんなこと、ないと思うよ?一緒に過ごしていくうちに協調性とか身に付くし、思い出だって…」
「思い出なんてただの塵だ。いつかは忘れる。」
言い終わらないうちにイラついたように突かれる。
「そんな…どうして?どうしてそんな考え方に至ったの?」
私が人を信じないと決めたように、彼にもきっと理由があるはず。
「……・・・が死んだからだ…。」
「え?」
はじめの方がよく聞こえない。
「…ポスター書きながら話す。」
そういって彼は私の席の前の綾花ちゃんの席に座る。
どういう風の吹き回しか、一緒にしてくれるらしい。