君等の遺した最後の手紙は。(仮)

「お姉ちゃん、ただいま。」
家に着いたらリビングには向かわず、自分たちの部屋へ向かう。幸い、私達の部屋は2階だし、帰宅を伝えないことには何も言われない。
所詮は『邪魔者』だから。

だけど私達の部屋には窓がない。だからもし監禁なんてされた時には…助かることは無いだろう。

真人は娘達に酷いことをする癖に、やけに人目を気にする。ここ2日はなんとか殴られてない。真人の爪が伸びていてよかった。

「お帰り。今日どうしたの??」
「ん、あのね、体育会実行委員会があってその後ポスター書きしてたから遅くなっちゃったし部活行けなかったの。」
「あぁ、なるほどね。彩華(あやか)ちゃんと灯里(ともり)ちゃん、そのうえ未侑も来てなかったから心配しちゃった」
ちょいと首を傾げて可愛らしく言う。これが計算でもなく天然だなんて、なんか悔しい。
「ごめんね、部長なんか言ってた?」
「ううん。梢(こずえ)は優しいから大丈夫。どうしたのかなー?って心配してた。」
梢先輩こと梢部長はかなりほんわかタイプだ。
「そっか、明日謝っとかなきゃだ。」
「うんうん、あと璃唯(りい)と薫子(かおるこ)にも、ね。あのふたり「出席率低いんですけど!何事?!」みたいな言ってたから。」
璃唯先輩と薫子先輩はバド部でも教室でも一軍らしく、逆らったら大変なことになるらしい。ちなみにお姉ちゃんはオールマイティに接すことが出来るらしい。ある意味最強。
「まじかー、めんどくさいね」
「まぁね〜」

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