君等の遺した最後の手紙は。(仮)
麗鈴祭当日。
私は白のコットンワンピースに桃色の七分袖のカーディガンを羽織り、チェリーピンクのリップクリームを塗って、いつもは結んだ髪を下ろして鈴のついた髪飾りをつけて空が藍に染まった頃に家を出た。

西久保町の麗鈴祭はかなり盛大で屋台は多くて花火も上がる。すごく素敵なお祭り…らしい。実は西久保町は郊外だから校則で行くことを禁じられていたからいったことがない。でも綾花ちゃんが言うにはめちゃめちゃ楽しいらしいから結構期待。

今日の予定はまず西久保駅で希翔くんと落ち合って屋台をまわる。そのあと花火の上がる前にどこかに座って話なんてしながら花火を見る。そして解散。

二人きりなんて初めてで、しかも憧れの麗鈴祭。
ものすごく楽しみ。いつもならしないお洒落をしてさらに高揚感を高める。心浮き立つ感情って正しくこんな感じなんだろうな。
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